お菓子売り場で「お菓子買って~!」と駄々をこねる。ダメと言っても言うことをきかないので、周りへの迷惑も考えて、叩いて、無理やりお菓子売り場から連れ出した。
子育てにおいて、
しつけなのか体罰なのか
迷うことがあるかもしれません。
ただ1つ言えることは、しつけと体罰は
違うということです。
しつけは、こどもが自分で考え伝え、
自立していかれるように
支えていく行為ですが、
体罰や暴言は、
こどもの身体や心を傷つける行為です。
自由にのびのびと育ってほしいけど、
立派な大人に育ってほしい。
だからこそ、
つい叱りすぎてしまうことが
あるかもしれません。
これってしつけになってる?
それとも、もしかして体罰…?
一緒に学んでいきましょう。
ポイントは、
こどもの「内なる声」と
向き合うこと
こどもの態度や言葉の奥底に
どのような理由や気持ちが
あるのかこどもに聞き、
寄り添いながら対話してみましょう。
相手に自分の気持ちを受け入れてもらえたという体験によって、
気持ちが落ち着いたり、大切にされていると感じたりします。
こどもの本当の気持ちは、言葉や行動と少し違うこともあります。
目の前の言動に振り回されず、その「内なる声」に向き合ってみましょう。
お菓子売り場にて
まずは、こどもの買いたい気持を受け止めましょう。そのうえで、買うことができない理由を冷静に伝えましょう。そして、気持ちを切り替えることができたら、認める声がけをしましょう。
おもちゃの取り合いで…
友だちとおもちゃを取り合い。「貸してあげなさい」と何度も言ったが聞かないので、叩いた後、「言うことを聞かない子は、うちの子じゃありません!あなたなんか生まれてこなければよかった!」と怒鳴った。
まずは、気持ちを受け止めたうえで、「どうしたらいいかな?」と問いかけて一緒に考えてみましょう。解決策を提案したり、別の遊びなど他に注意を促したりするのも効果的です。
記載内容は「体罰等によらない子育てのために~みんなで育児を支える社会に~(令和2年2月 体罰等によらない子育ての推進に関する検討会)」を参考に作成しています。
しつけと体罰の違いって?
体罰が許されないもの
であることが
法定化されました
こどもの権利が守られる体罰等のない社会を実現していくためには、
一人ひとりが意識を変えていくとともに、
子育て中の保護者に対する支援も含めて社会全体で取り組んでいかなくてはなりません。
こどもの人格や才能などを伸ばし、社会において自律した生活を送れるようにすることなどの目的から、こどもをサポートして社会性を育む行為です。
こどもの身体に何らかの苦痛を引き起こし、または不快感を意図的にもたらす行為(罰)です。
体罰等がこどもの成長・発達に悪影響を与えることは科学的にも明らかになっており、
「しつけ」と称した暴力なども含め、体罰等が繰り返されると、
心身に様々な悪影響が生じる可能性があります。
こどもがもっている4つの権利
たたかれたり
ひどいことを
言われない
元気に・健康に
毎日をすごして
成長する
保護者の人から
育てられる
守ってもらえる
自分の意見を言う
話を聞いて
もらえる
全てのこどもは、健やかに成長・発達し、その自立が図られる権利が保障されることが、
平成28年の児童福祉法の改正によって明確化され、
保護者は、こどもを心身ともに健やかに育成することについて、第一義的責任を負うとされています。
また、全ての国民は、こどもの最善の利益を考え、
年齢や成熟度に応じてこどもの意見が考慮されるように努めることとされています。
体罰等によらない
子育てのための
工夫のポイント
体罰等はよくないと分かっていてもいろいろな状況や理由によって、
それが難しいと感じられることもあります。
一方で、安心感や信頼感、温かな関係が心地よいのは、こどもも大人も同じです。
こどもの気持ちや考えに
耳を傾けましょう
- 相手に自分の気持ちや考えを受け止めてもらえたという体験によって、こどもは気持ちが落ち着いたり、大切にされていると感じたりします。
- こどもに問いかけたり、相談をしながら、どうしたらよいかを一緒に考えましょう。
「言うことを聞かない」にも
いろいろあります
- 保護者の気をひきたい、子どもなりに考えがある、言われていることをこどもが理解できていない、体調が悪いなど、様々な理由があります。
- 「イヤだ」というのは、こどもの気持ちです。こうした感情を持つこと自体はいけないことではありません。
こどもの
成長・発達によっても
異なることもあります
- こどもの年齢や成長・発達の状況によって、できることとできないことがあります。
- それぞれのこどもによって成長・発達の状況にも差があることを理解しましょう。こども自身が困難を抱えているときは、それに応じたケアが必要なこともあります。
こどもの状況に応じて、
身の周りの環境を
整えてみましょう
- 乳幼児の場合は、危ないものに触れないようにするなど、「触っちゃダメ!」と叱らないでよい環境づくりを心がけましょう。
- こどもが困った行動をする場合、こども自身も困っていることがあります。こどもが自分でできるように教えてあげたり環境を整えてあげましょう。
注意の方向を変えたり、
やる気に働きかけて
みましょう
- こどもはすぐに気持ちを切り替えるのが難しいこともあります。時間的に可能なら、待つことで子どもの気持ちや行動が変化するかもしれません。
- 難しければ、場面を切り替えること(家から出て散歩をする等)で注意の方向を変えてみてもよいでしょう。
肯定文でわかりやすく、
時には一緒に、お手本に
- こどもに伝えるときは、「ここでは歩いてね」など、肯定文で何をすべきかを具体的に、また、穏やかに、より近づいて、落ち着いた声で伝えると、こどもに伝わりやすくなります。
- 「一緒におもちゃを片付けよう」と共に行うことで、やり方を示したり教えたりすることもできます。
良いこと、できていることを
具体的に褒めましょう
- こどもの良い態度や行動を褒めることは、こどもにとって嬉しいだけでなく、自己肯定感を育むことにもなります。
- こどもの態度や行動を褒めるときは、何が良いのかを具体的に褒めると、こどもにより伝わりやすくなります。